セラミックス治療

通常の歯科治療よりもより見た目の改善を重視される患者さまにお勧めするのがセラミックス治療です。
当院ではこんなご希望の患者さまが来院されています。

来院される患者さまのご希望

・何年か前に詰めた銀歯を白くしたい
・歯と歯ぐきの間の黒い部分をキレイにしたい
・前歯の形や色、向きが気になる
・全体的に歯を白くしたい
・1本だけ色の違う歯が気になる

セラミックス修復

個々の歯だけでなく場合によっては歯列全体を患者様の要望を取り入れて見た目に優れた修復物を使用した治療です。
その治療法には歯に直接充填する「(コンポジット)レジン」を使う方法と、型を取り硬石膏模型上でセラミクスやハイブリッドセラミクスを用いて見た目の優れた修復物を作成し、次回来院時に接着剤で装着する方法があります。

レジン充填(保険診療)

歯科治療で使用するレジンは、組成が80%セラミクス微粒子と20%有機高分子材料から出来ている為、複合(コンポジット)レジンとも呼ばれます。410〜480ナノメーターの青色可視光線で硬化させます。レジン充填で修復を行う際に重要な点は以下の3点です。

1)歯質への強い接着力の達成
2)レジンの硬化処理を完全に行い十分な強度の達成
3)形態調整と研磨

1)に関しては「クリニック紹介」、「診療方針」の『歯質への確実な接着』をご覧ください。
2)に関しては以下の点に注力しています。

2000年4月にワシントンでのIADRの国際学会で、私が東京医科歯科大学大学院時代に発表した研究でも明らかにされましたが、硬化に用いる照射器の光の種類(LED、ハロゲン、キセノン)と光の強度の違いでレジン硬化後の強度に大きな差が出ます。その現実を把握する事は大切です。
当院では2012年10月に発売の高性能LED照射器「Elipar」を含めて7種類の照射器を用い、光強度測定器「Curing Radiometer Model100」で照射器をチェックしながら対応しています。

市販されているレジンにはそれぞれ特徴があります。

・操作性が良い
・強度が優れている
・色調が優れている
・硬化反応が速い
・価格が安い→良い治療の為には重視すべきではないです

症例に合わせて、多数あるレジンの中から使用すべきレジンと硬化に使用する照射器を選びます。
充填する部位までの距離と照射器の光強度を考慮して適切な照射時間を決めます。
当院では治療前の状態と形態調整と研磨を終えた治療後の状態をCCDカメラとモニターを用いて御説明します。

間接法(自由診療)

1)セラミックインレー

虫歯や破折により欠損が大きくレジン充填では十分な強度が確保できない場合の臼歯が適応です。
臼歯の一部にできた欠損部の型をとり硬石膏で模型を作成し、模型上でセラミクスやハイブリッドセラミクスを用いて修復物を作成します。

2)メタルボンド冠、ジルコニア冠

貴金属でフレームを作り、その表面にセラミクスを高温で焼成して透明感と色調に優れた修復物を作成します。
フレームを貴金属の代わりにジルコニアを使った場合がジルコニア冠で透明感と色調がより一層優れていますが、メタルボンド冠よりも歯質の削除量がやや大きくなります。
神経を除去した歯(失活歯)、神経が保存出来ている歯(生活歯)の両方とも適応です。

3)ポーセレンベニヤ

ポーセレンとはセラミクスの別称です、ベニヤ(Veneer)は薄い板と言う意味です。
歯質の削除量は切削時に麻酔が必要ない最小限度で済みます。
極薄い修復物を作成できる歯科技工士のスキルと、切削した歯の表面を保護して強固で確実な接着修復ができる歯科医のスキルが大きなポイントです。

「セラミクスと歯質の接着」は開業して12年目に母校の東京医科歯科大学大学院に入学した際の大きな研究課題でしたが、今でもより高度な接着のスキルを文献、学会発表検索などを通じて求めています。